よこやりぶろぐ

にっきとらくがき。

旅立ち。

小学校からずっと仲良しだった友達が遠くに行ってしまった。
前々から実家を出ていくかもしれないと聞いていたから、ある程度心の準備はしていたものの、現実になると寂しい。

26日、実家の祖母に無理を言って子供らを預かってもらい、見送りに行った。
新幹線のホームがある駅に着くと、入り口で友達が待っててくれた。
友達は本当にこれから旅立つ人とは思えないくらい少ない荷物を持ち「わざわざ来なくてもよかったのに~」と言って笑っていた。

新幹線が来る時間まで少しだけ余裕があったのでベンチに座って話をした。

友達「今度住むアパートの写真みる?」
自分「めっちゃシャレオツじゃん」
友達「これ事故物件」
自分「ファッ!?」

こんな話をしてたらあっという間に新幹線の時間が来てしまった。
ホームまでの階段を登っている間、なぜかよく分からないけど心臓がドキドキしていた。久しぶりの感覚だった。

「育児落ち着いたら遊びにおいでよ!横浜行ったことないでしょ?案内するから」

いや、うちら卒業旅行で行ったじゃん。ちょっとだけだけど。
そう言ったら「あれ横浜じゃなくて東京かと思ってた・・・」と予想外の返事が返ってきた。

この子は本当に大丈夫なのか・・・?と脱力したら蓋をしかけてた昔のことがどんどん思い出されてきた。

小学校の頃からちょっと抜けてるところがあって、何回もハラハラさせられた。
放課後のクラブ活動で同じグループだった子にハブられて、何度も泣いていた。
中学校では英語ができなくて、テスト前になると遅くまで一緒に勉強した。
゛are゛を゛aー゛と表記するような子だった。

土日になると、毎週のようにどちらかの家に行って遊んでた。

高校受験の帰り道、答案用紙を見ながらあーでもないこーでもない同じクラスになれたらいいねってまだ合格してもいないのに気の早い話をした。

結局同じクラスにはなれなくて、でもお昼休みは一緒に過ごしてた。
買ってもらったばかりの携帯が閉まらなくなったと言っていつもヘアゴムで携帯のこと縛ってた。

卒業したあとは違う道に進んだけど、なんだかんだで連絡を取り合っていて
でも今思えばいつも友達のほうから誘ってくれてた。

私は就職して、でも仕事先でうまくいかなくて、知らない土地で毎日泣いてた。
友達に会いたいと思っても、心が渇いていたせいで会いたいという言葉も言えなかった。
こんな自分を見られたくなかった。

こんな下らないプライドを捨ててしまっていれば、もっと沢山会えたかもしれないのに。
何で今になって気付くかな。
辛い、話を聞いてほしい と言えば、彼女のことだったら何時間だって聞いてくれただろう。


そういえば、子供を生むときに手紙もらったな。
文面で陣痛頑張ってね!とよくわからない応援されたけど、病院に持っていって出産する間際までその手紙を握ってた。


20年間の思い出。



新幹線に乗り込む友達に咄嗟に「握手してほしい」と言った。
何故だかわからないけどそうしなきゃいけない感じがしたから。
友達は私の手をぎゅっと握って、「幽霊出たらLINEするから返事してね」と言って新しい土地に旅立っていった。


遠い土地に行ったからといって、友達をやめるわけでもない。
でも彼女が旅立っていったことで私たちの関係にはひとつの区切りがついた。
それは決して悪いことではなく、お互いがそれぞれの環境で頑張る良い意味での『区切り』なのだと思う。



最後に友達に一言。

ありがとう。私と友達で居てくれて。
あなたは自分で思っているよりもずっと器用に色んなことをこなせる人だよ。
都会の波にさらわれないで、いつも自分らしくいてください。




おしまい。